2025/07/01
必読論文その3 Must-read paper No.3
K J Rothman, S Greenland, A M Walker. Concepts of interaction. Am J Epidemiol. 1980;112(4):467-70. doi: 10.1093/oxfordjournals.aje.a113015.
以下、Chat GPTによる要約(2025/7/01)
要約(Summary):
この論文では、疫学における「交互作用(interaction)」の概念について理論的に整理し、交互作用の定義が「加法的」か「乗法的」かによって異なる解釈が生じることを明確に論じています。
主なポイント:
- 交互作用の定義の曖昧さ
- 「交互作用」という用語は、疫学者によって異なる意味で使われており、特に**統計モデルの形式(加法モデル vs 乗法モデル)**によって意味が変わってしまう。
- したがって、交互作用の有無は「どのスケールで」評価するかに依存する。
- 加法的 vs 乗法的交互作用
- 加法モデルでは、曝露の組み合わせによるリスクの絶対的な増加量に基づいて交互作用を評価する。
- 乗法モデルでは、リスクの**相対比(リスク比、オッズ比)**に基づく。
- 例:2つの曝露がそれぞれリスクを2倍にするが、同時に曝露するとリスクが6倍になる場合、加法的には交互作用があるが、乗法的にはないとされることがある。
- 公衆衛生的意味合い
- 加法的交互作用は、疫学的な因果推論や公衆衛生介入(例:予防策の優先順位付け)においてより重要であると著者らは主張。
- 交互作用の測定と解釈における注意
- 交互作用の有無は「事実」ではなく、「スケールの選択」によって決まるものであり、どのスケールが適切かは研究目的に依存する。
- よって、交互作用の存在を述べる場合には、どのスケールで評価されたかを明示すべきである。
まとめ:
この論文は、疫学研究における交互作用の理論的理解を深め、「交互作用の有無」は絶対的なものではなく、使用するリスクモデル(加法 or 乗法)に依存するという重要な洞察を提供しています。とりわけ、公衆衛生的観点からは加法的スケールでの交互作用の評価が有用であると提案しています。