2026/01/17
必読論文その4 Must-read paper No.4
Brett P Dyer. The distinction between causal, predictive, and descriptive research-there is still room for improvement. J Clin Epidemiol. 2025 Sep 1:111960. doi: 10.1016/j.jclinepi.2025.111960.
以下、Chat GPTによる要約(2026/1/17)
目的
本論文は、医学・疫学研究における研究課題を
①因果(causal)研究、②予測(predictive)研究、③記述(descriptive)研究
の3つに分類する枠組みについて、依然として残っている誤解や誤用を指摘し、改善点を示すことを目的としています。
中心的主張
研究の種類(因果・予測・記述)によって、研究デザイン、解析方法、結果の解釈、臨床的含意は本質的に異なるにもかかわらず、観察研究ではこれらが混同されがちであり、研究の質や解釈を損なっていると著者は指摘します。
指摘される4つの代表的な誤り
1. 予測研究・記述研究で「交絡因子(confounder)」という概念を使う誤り
- 交絡は因果推論特有の概念であり、予測研究や記述研究で用いるのは不適切。
- 予後因子研究(予測)では、「既知の予後因子を調整する」ことはあるが、それは交絡調整ではなく予測性能の評価が目的。
- 記述研究では、調整よりも「どの母集団・どの層を記述しているか」を明確にすることが重要。
2. 予測モデルの結果を「効果(effect)」として解釈する誤り
- 予測因子は原因である必要はない。
- 予測モデルの係数を「この因子を変えればリスクが下がる」と解釈するのは誤り。
- 予測研究では「効果」という用語を避け、因果的解釈を誘発しない表現を用いるべき。
3. 研究の種類を曖昧にする非特異的な用語の使用
- 「リスク因子」「関連がある」といった用語は、因果なのか予測なのか不明確。
- 著者は、研究目的が因果・予測・記述のどれなのかを明示的に記述すべきと主張。
- STROBEなどの報告ガイドラインでも、研究課題の種類を明記することを求めるべきと提言。
4. 因果研究で「モデルの簡潔さ(パーシモニー)」を交絡調整より優先する誤り
- 因果研究では、モデルを簡潔にするよりも交絡によるバイアスを減らすことが最優先。
- ある変数が交絡因子かどうか不明な場合、除外するのではなく、
- 因果ダイアグラム(DAG)による検討
- 変数を入れた場合/除いた場合の感度分析
を行うべき。
- 事前曝露変数(pretreatment variables)については、調整によるバイアスリスクは一般に小さいとされる。
結論
- 因果・予測・記述研究を明確に区別し、それぞれに適した方法と解釈を行うことが、医学研究の質を向上させる。
- 研究者、査読者、編集者、教育者すべてが、この区別を意識する必要がある。
一文でのまとめ
本論文は、因果・予測・記述研究の混同がもたらす4つの典型的誤りを整理し、研究目的に即した用語・解析・解釈の重要性を強調した方法論的提言である。
